有機溶剤は塗装・洗浄・接着など多くの現場で使われ、それだけ中毒も起こりやすい物質です。共通する性質から入り、代表物質ごとの特徴的な障害へと降りていきましょう。
先生、有機溶剤って結局なんなの? シンナーみたいなやつ?
おおむね合っているわ。有機溶剤は、他のものを溶かす有機化合物のこと。
試験で問われる性質は2つ、揮発性と脂溶性ね。
揮発性が高いので常温でどんどん蒸気になり、呼吸器から吸収されます。
しかも脂溶性なので、皮膚からも吸収されるのが厄介ですね。
あぶらに溶ける…ということは、からだの中の脂っぽいところに行っちゃうの?
ましろさん、それがまさに核心。
脂質の多い脳や神経に入り込みやすいの。
だから有機溶剤の共通した障害の筆頭が中枢神経の抑制、つまり麻酔作用。
頭痛、めまい、酩酊感、ひどければ意識障害よ。
補足すると、皮膚・粘膜への刺激による皮膚炎や結膜炎、それに肝障害・腎障害も共通の障害として挙げられます。
そう。
そしてもう一つ実務的に大事なのが、有機溶剤の蒸気は空気より重いものが多いということ。
床近くやピットの底に溜まるの。
ここは換気設計に直結するわ。
下に溜まるのか…。
ちょっと待って、それって低いところで作業してる人が一番危ないってことじゃん?
ここは絶対に落とせないところよ。
よく気づいたわね。
さて、ここからが本番。
物質ごとの『特徴的な障害』を対で覚えるの。
二硫化炭素は精神障害。ノルマルヘキサンは多発性神経炎。メタノールと酢酸メチルは視神経障害。
そしてベンゼンは造血器障害、すなわち白血病です。
メタノールで目がわるくなる…なんだか、こわい話です。
怖い話だからこそ、法律で厳しく規制されているのよ。
この5つの組合せは、そっくり入れ替えた選択肢で出題されるから、必ず声に出して覚えてね。
二硫化炭素=精神、ノルマルヘキサン=神経炎、メタノール=目、ベンゼン=血! よし、リズムで覚えた!
確認クイズ
有機溶剤と、その代表的な健康障害との組合せとして、正しいものはどれか。
- ノルマルヘキサン ─ 視神経障害
- メタノール ─ 多発性神経炎
- 二硫化炭素 ─ 精神障害
- トルエン ─ 造血器障害 (白血病)
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正解: 3. 二硫化炭素 ─ 精神障害
二硫化炭素は精神障害が特徴。ノルマルヘキサンは多発性神経炎、メタノール(および酢酸メチル)は視神経障害で、選択肢1・2は入れ替わっている。造血器障害(白血病)を起こす代表はベンゼンであり、トルエンではない(選択肢4は誤り)。