保護具は最後の砦です。そして、選び方を誤れば砦は砦になりません。とりわけ「酸素欠乏の場所でろ過式を使ってはならない」は、命に直結する最重要ルールです。
呼吸用保護具は、大きく2つに分かれるわ。
ろ過式と給気式。
この分岐が今日のすべてよ。
ろ過式呼吸用保護具は防じんマスクや防毒マスク。
周囲の空気を、ろ過して吸うものですね。
そう。
ここで最重要の一点。
ろ過式は、周りの空気を『こす』だけ。
酸素を足してくれるわけではないの。
だから酸素欠乏のおそれのある場所では、防じんマスクも防毒マスクも使ってはならない。
えっ…でもマスクしてれば、なんか守られてる気がしちゃう。
その『気がする』が、人を死なせるの。
酸素のない空気をいくらこしても、酸素のない空気にしかならないわ。
ここは絶対に落とせない。
…こしても、ないものは、ないんですね。
ですから酸欠のおそれのある場所では、給気式呼吸用保護具を使います。
ホースで空気を送る送気マスクや、ボンベを背負う空気呼吸器ですね。
よっしゃ、酸欠は給気式! これは絶対に忘れない!
では防じんマスクの注意点も。
粒子は捕まえられるけれど、有害なガスや蒸気には無効よ。
また、ろ過材に付着した粉じんを、圧縮空気で吹き飛ばしたり、たたいて払い落としたりしてはいけません。
ろ過材を傷めるためです。
きれいにしようとして、こわしてしまうんですね…。
そして防毒マスク。
ここは吸収缶の色が定番中の定番よ。
有機ガス用は黒。
続けて、一酸化炭素用は赤、硫化水素用は黄、亜硫酸ガス用は黄赤、アンモニア用は緑、青酸用は青です。
青酸が青…これは、おぼえやすいです。
えへへ。
そうね。
ただし吸収缶には除毒能力の限界、つまり破過があるわ。
高濃度の場所や、使用時間を超えた吸収缶は危険。
面体を顔に密着させることも忘れずにね。
タオルを挟むなんて論外よ。
確認クイズ
呼吸用保護具に関する記述として、正しいものはどれか。
- 酸素欠乏のおそれのある場所では、防毒マスクを使用する。
- 防毒マスクの吸収缶のうち、一酸化炭素用のものの色は黒色である。
- 有機ガス用防毒マスクの吸収缶の色は、黒色である。
- 防じんマスクのろ過材に付着した粉じんは、圧縮空気で吹き飛ばして除去する。
こたえを見る
正解: 3. 有機ガス用防毒マスクの吸収缶の色は、黒色である。
有機ガス用の吸収缶は黒色。一酸化炭素用は赤色である(選択肢2は誤り)。酸素欠乏のおそれのある場所ではろ過式(防じん・防毒マスク)を使用してはならず、送気マスク・空気呼吸器などの給気式を用いる(選択肢1は誤り)。ろ過材に付着した粉じんを圧縮空気で吹き飛ばすとろ過材を傷めるため行ってはならない(選択肢4は誤り)。