労働生理の第一歩は呼吸です。肺そのものは動かず、横隔膜と肋間筋が空気を出し入れしている——この意外な事実から始めましょう。
先生、呼吸って肺がふくらんだり縮んだりしてるんだよね?
あたし、肺が自分で動いてるんだと思ってた!
そこがまさに試験の狙いどころ。
実は肺には筋肉がないの。
自分ではふくらめないのよ。
えーっ!? じゃあ誰が動かしてるの?
横隔膜と肋間筋よ。
この2つが動いて胸郭の中の容積を変える。
すると肺は受け身でふくらんだり縮んだりするの。
つまり、横隔膜が下がって胸郭内容積が増えると、内圧が下がって外から空気が流れ込む——これが吸気という理解で合っていますか?
完璧よ。
肺は『動かされる側』。
ここを逆に書いた選択肢は毎年のように出るわ。
ふぇぇ〜…でも先生、わたし、寝てるときも呼吸してます。
誰が命令してるんですかぁ?
いい質問ね。呼吸中枢が命令しているの。
場所は脳幹の延髄。
大脳じゃないところが大事よ。
その呼吸中枢を刺激するのは、酸素の不足ではなく血液中の二酸化炭素分圧の上昇ですね。
そう、そこが引っかけの本丸。
血液中の二酸化炭素分圧が上がると呼吸中枢が刺激されて、呼吸が深く速くなるの。
『酸素が足りないから』と書いてあったら誤りよ。
走った後にハァハァするのって、酸素が欲しいからじゃなくて、二酸化炭素が溜まったから…ってこと?
そのイメージでいいわ。
数字も押さえましょう。
安静時の呼吸数は1分間に約16〜20回、1回換気量は成人で約500mL。
あの…外呼吸と内呼吸って、どう違うんですかぁ?
外呼吸は肺胞と血液のあいだのガス交換。
内呼吸は組織の細胞と血液のあいだのガス交換で、組織呼吸ともいうの。
『どこで行われるか』で覚えてね。
肺が外、細胞が内!
よっしゃ、それなら覚えられる!
確認クイズ
呼吸に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 呼吸中枢は大脳皮質にあり、酸素分圧の低下によって刺激される
- 呼吸中枢は延髄にあり、血液中の二酸化炭素分圧の上昇によって刺激される
- 肺自体の筋肉が収縮することで、肺が膨張・収縮して呼吸が行われる
- 外呼吸とは、組織細胞と血液との間で行われるガス交換をいう
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正解: 2. 呼吸中枢は延髄にあり、血液中の二酸化炭素分圧の上昇によって刺激される
呼吸中枢は延髄にあり、血液中の二酸化炭素分圧の上昇が刺激となる。選択肢1は場所も刺激も誤り。選択肢3は誤りで、肺には筋肉がなく横隔膜と肋間筋の運動による。選択肢4は内呼吸(組織呼吸)の説明。