統計は苦手意識を持たれがちですが、問われる論点はごく限られています。静態と動態、偽陽性と偽陰性、相関と因果。この3組です。
統計…あたし、この字を見ただけで眠くなる…
大丈夫よ。
覚えるのは3組の対比だけ。
まず1組目。
有所見率と発生率の違いね。
有所見率は、健康診断のある時点における有所見者の割合です。
これに対し発生率は、一定の期間内に新たに発生した数の割合ですね。
そう。
前者は静態データ、後者は動態データよ。
写真かビデオか、と思えば区別しやすいわ。
あっ…写真は『その瞬間』、ビデオは『あいだの動き』。
ましろ、それなら忘れません!
ふふ、いい比喩ね。
2組目は、スクリーニングの偽陽性と偽陰性よ。
偽陽性率は本当は健康なのに『異常あり』と出てしまう率、偽陰性率は本当は疾病があるのに『異常なし』と見逃してしまう率です。
ちょっと待って。
じゃあ、検査の基準を厳しめ…えっと、低めに設定したらどうなるの?
いい質問。スクリーニングレベルを低く設定すると、ちょっとした異常でも引っかかる。
だから偽陽性率は高くなり、偽陰性率は低くなるわ。
労働衛生の分野では、見落としを防ぐことを重視して、スクリーニングレベルを低めに設定するのが一般的ですね。
結果として偽陽性率が高くなります。
なるほど! 疑わしきは引っかけとけ、と。
取りこぼすより、二度見するほうがマシってことか。
その理解でいいわ。
3組目は、相関と因果。
2つの事象の間に相関関係があっても、因果関係があるとは限らない。
ここは断言できるようにしてね。
…アイスの売れる日と、水の事故が多い日が、いっしょに増えても…アイスのせいじゃない、みたいな?
…ましろ、それ完璧な例です。
両方とも『暑さ』という別の要因で動いているだけ、ですね。
見事よ。
あとは疾病休業統計ね。
疾病休業日数率は、疾病休業延べ日数を在籍労働者の延べ所定労働日数で割って100を掛ける。
病休度数率は、疾病休業件数を在籍労働者の延べ実労働時間数で割って100万を掛けるわ。
うぅ…最後にちゃんと数式来た…でも、日数率は『日数÷日数』、度数率は『件数÷時間』ってことね。
よし、いける!
確認クイズ
労働衛生管理統計に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 有所見率は、一定期間に新たに有所見となった者の割合であり、動態データである
- 健康診断のスクリーニングレベルを低く設定すると、偽陽性率は低くなり、偽陰性率は高くなる
- 有所見率はある時点の有所見者の割合であり、静態データである
- 二つの事象の間に相関関係が認められれば、因果関係があると判断してよい
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正解: 3. 有所見率はある時点の有所見者の割合であり、静態データである
有所見率はある時点の割合で静態データが正しい。一定期間に新たに発生した割合は発生率(動態データ)(選択肢1は誤り)。スクリーニングレベルを低く設定すると偽陽性率は高く、偽陰性率は低くなる(選択肢2は誤り)。相関があっても因果関係があるとは限らない(選択肢4は誤り)。