電離放射線と非電離放射線

細胞分裂の盛んな組織ほど影響を受けやすいという原則、しきい値のある確定的影響としきい値のない確率的影響、紫外線・赤外線・レーザーの障害を整理します。

編集・検証: 衛生管理者スタディ編集部 公式情報: 公益財団法人 安全衛生技術試験協会 制作・検証方針

放射線は「電離するかどうか」で二つに分かれます。電離放射線では確定的影響と確率的影響の区別が、非電離放射線では波長ごとの障害が問われます。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

先生、放射線って…あの、レントゲンのですか?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そう、X線ね。電離放射線にはX線のほか、γ線、α線、β線、中性子線があるわ。
物質を電離させる力を持つのが特徴よ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

先生、電離放射線の影響を受けやすい組織には、何か法則があるのでしょうか。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

あるわ。
これは一本の原則で貫かれているの。
細胞分裂の盛んな組織ほど影響を受けやすい。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

細胞分裂が盛んって…どこがそうなの?

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

造血器である骨髄、生殖腺、腸管上皮、それに皮膚などですね。
いずれも細胞が活発に入れ替わる場所です。

雪村 ましろ(しょんぼり) 雪村 ましろ

…新しく生まれ変わろうとしている細胞ほど、傷つきやすいんですね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そういうことよ。
次が最重要。
影響は二種類に分けられるの。
確定的影響と確率的影響ね。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

確定的影響にはしきい値があります。
ある線量を超えると必ず出る。
脱毛、白内障、皮膚障害などです。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

一方の確率的影響は、しきい値がないと仮定されるの。
線量が増えるほど、起こる『確率』が高まる。
これは発がんと遺伝的影響ね。

戸倉 ジャスミン(笑顔) 戸倉 ジャスミン

しきい値あり=脱毛・白内障、しきい値なし=がん。
あたし、わかった気がする!

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

その対応で正解です。
白内障を確率的影響とする選択肢が定番のひっかけですから、そこだけは死守してください。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

最後に非電離放射線。
紫外線は溶接作業で電光性眼炎を起こすし、皮膚の紅斑や皮膚がんの原因にもなるわ。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

ましろ、赤外線も気になります。
あれは、あたたかい光ですよね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

赤外線は熱作用。
白内障や皮膚の熱傷ね。
レーザー光線は網膜を焼いて失明のおそれ、マイクロ波は組織を加熱する。
波長ごとに顔が違うのよ。

確認クイズ

電離放射線による健康障害に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 電離放射線による確率的影響には、しきい値があるとされている。
  2. 電離放射線の影響は、一般に細胞分裂の盛んな組織ほど受けやすい。
  3. 白内障や脱毛は、しきい値がないとされる確率的影響に分類される。
  4. 赤外線は、電離放射線に分類される。
こたえを見る

正解: 2. 電離放射線の影響は、一般に細胞分裂の盛んな組織ほど受けやすい。

細胞分裂の盛んな組織(造血器・生殖腺・腸管上皮など)ほど電離放射線の影響を受けやすい。確率的影響(発がん・遺伝的影響)にはしきい値がないと仮定される(選択肢1は誤り)。白内障・脱毛はしきい値のある確定的影響(選択肢3は誤り)。赤外線は非電離放射線(選択肢4は誤り)。

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