放射線は「電離するかどうか」で二つに分かれます。電離放射線では確定的影響と確率的影響の区別が、非電離放射線では波長ごとの障害が問われます。
先生、放射線って…あの、レントゲンのですか?
そう、X線ね。電離放射線にはX線のほか、γ線、α線、β線、中性子線があるわ。
物質を電離させる力を持つのが特徴よ。
先生、電離放射線の影響を受けやすい組織には、何か法則があるのでしょうか。
あるわ。
これは一本の原則で貫かれているの。
細胞分裂の盛んな組織ほど影響を受けやすい。
細胞分裂が盛んって…どこがそうなの?
造血器である骨髄、生殖腺、腸管上皮、それに皮膚などですね。
いずれも細胞が活発に入れ替わる場所です。
…新しく生まれ変わろうとしている細胞ほど、傷つきやすいんですね。
そういうことよ。
次が最重要。
影響は二種類に分けられるの。
確定的影響と確率的影響ね。
確定的影響にはしきい値があります。
ある線量を超えると必ず出る。
脱毛、白内障、皮膚障害などです。
一方の確率的影響は、しきい値がないと仮定されるの。
線量が増えるほど、起こる『確率』が高まる。
これは発がんと遺伝的影響ね。
しきい値あり=脱毛・白内障、しきい値なし=がん。
あたし、わかった気がする!
その対応で正解です。
白内障を確率的影響とする選択肢が定番のひっかけですから、そこだけは死守してください。
最後に非電離放射線。
紫外線は溶接作業で電光性眼炎を起こすし、皮膚の紅斑や皮膚がんの原因にもなるわ。
ましろ、赤外線も気になります。
あれは、あたたかい光ですよね。
赤外線は熱作用。
白内障や皮膚の熱傷ね。
レーザー光線は網膜を焼いて失明のおそれ、マイクロ波は組織を加熱する。
波長ごとに顔が違うのよ。
確認クイズ
電離放射線による健康障害に関する記述として、正しいものはどれか。
- 電離放射線による確率的影響には、しきい値があるとされている。
- 電離放射線の影響は、一般に細胞分裂の盛んな組織ほど受けやすい。
- 白内障や脱毛は、しきい値がないとされる確率的影響に分類される。
- 赤外線は、電離放射線に分類される。
こたえを見る
正解: 2. 電離放射線の影響は、一般に細胞分裂の盛んな組織ほど受けやすい。
細胞分裂の盛んな組織(造血器・生殖腺・腸管上皮など)ほど電離放射線の影響を受けやすい。確率的影響(発がん・遺伝的影響)にはしきい値がないと仮定される(選択肢1は誤り)。白内障・脱毛はしきい値のある確定的影響(選択肢3は誤り)。赤外線は非電離放射線(選択肢4は誤り)。