有害ガスの中でも、一酸化炭素と硫化水素は死亡災害に直結する二大巨頭です。「なぜ死に至るのか」というメカニズムまで踏み込むと、選択肢のウソが見抜けるようになります。
先生、一酸化炭素って、ニュースでよく聞くけど…どうしてそんなに危ないの?
一酸化炭素が恐ろしいのは、まず気づけないことよ。
無色で無臭。
においも色もないの。
えっ、じゃあ吸ってても分かんないってこと?
そうなの。
そのうえ、体内での悪さが強烈でね。
赤血球のヘモグロビンにくっつく力が、酸素の200倍以上もあるの。
つまり、酸素が乗るはずの席を一酸化炭素が横取りしてしまうという理解で合っていますか。
…席とりゲームで、ぜんぶ取られちゃうみたいな…?
二人とも正解。
結果として血液が酸素を運べなくなり、全身の組織が酸素欠乏に陥る。
頭痛、めまい、そして意識障害。
そして助かっても、後遺症が残ることがあるの。
後遺症としては、記憶障害である健忘や、パーキンソン症候群が知られていますね。
うぅ…じわじわ怖いやつだ。
次のやつは?
硫化水素よ。
こちらは腐った卵のにおい、いわゆる腐卵臭がするの。
あ、においするなら逃げられるじゃん。
一酸化炭素よりマシ?
ここが最大の落とし穴。
濃度が高くなると、嗅覚のほうが先に麻痺してにおいを感じなくなるの。
『臭わなくなった=安全』じゃなくて『臭わなくなった=危険域』なのよ。
そのまま意識を失い、呼吸が止まる。
いわゆるノックダウンですね。
救助に入った人が二次災害で倒れる事例も後を絶ちません。
…助けようとした人まで倒れちゃうの、いちばん悲しいことです。
だからこそ、正しい知識が人を救うのよ。
もう一つ、シアン化水素も押さえて。
こちらは細胞そのものが酸素を使えなくなる中毒ね。
確認クイズ
一酸化炭素中毒に関する記述として、正しいものはどれか。
- 一酸化炭素は強い刺激臭を有するため、発生に気づきやすい。
- 一酸化炭素は、ヘモグロビンとの結合力が酸素に比べて著しく強く、体内の組織の酸素欠乏を引き起こす。
- 一酸化炭素中毒の代表的な後遺症は、骨軟化症である。
- 一酸化炭素は腐卵臭を有し、高濃度では嗅覚が麻痺する。
こたえを見る
正解: 2. 一酸化炭素は、ヘモグロビンとの結合力が酸素に比べて著しく強く、体内の組織の酸素欠乏を引き起こす。
一酸化炭素はヘモグロビンとの結合力が酸素の200倍以上あり、血液が酸素を運べなくなって組織が酸素欠乏に陥る。一酸化炭素は無色無臭(選択肢1は誤り)。後遺症は健忘やパーキンソン症候群(選択肢3は誤り)。腐卵臭と嗅覚麻痺は硫化水素の特徴(選択肢4は誤り)。