有害ガスの2回目は、刺激性の強いガスたちです。多くは「気道を刺激する」という共通点をもちますが、それぞれに固有の顔があります。そこを拾えば得点になります。
先生、刺激性ガスは種類が多くて、どれも『気道の刺激』としか書かれていません。
差がつくポイントはどこでしょうか。
いい問いね。
共通項は刺激。
だからこそ、各ガス固有の『変わり種の症状』を拾いにいくのが得点戦略よ。
変わり種…ふしぎな響きです。
たとえば二酸化硫黄、別名 亜硫酸ガス。
刺激臭があって上気道を刺激するけれど、慢性影響として歯が溶ける歯牙酸蝕症が出るの。
歯が溶ける!? ちょっと待って、それガスの話だよね!?
空気中の酸性のガスが歯を侵すのです。
同様に、二酸化窒素にも歯牙酸蝕症の記載があります。
次に塩素。
これは黄緑色で刺激臭があるガス。
眼と気道をがっつり刺激して、高濃度では肺水腫を起こすわ。
色があるガスなんですね…黄緑って、ちょっときれいなのに。
見た目に騙されないでね。
そして弗化水素。
これは骨に来るの。
慢性中毒で骨硬化症、それに斑状歯。
骨が硬くなるのって、いいことじゃないの?
ジャスミンさん、硬ければ良いというものではありません。
異常に硬化すればもろくなり、変形もします。
骨は『適度』が命です。
さて、いちばん怖いのがホスゲンよ。
刺激が弱いから、吸っても本人が気づきにくい。
それなのに、あとから肺水腫がやってくるの。
…気づかないまま、しずかに進んでいくのが、いちばんこわい気がします。
ましろさん、本質を突いたわね。
刺激が強いガスは逃げられる。
刺激が弱いガスは逃げ遅れる。
危険度は刺激の強さと比例しないの。
最後にアンモニア。
強い刺激臭で、上気道の刺激と結膜炎。
これは臭いですぐ分かる部類ですね。
確認クイズ
有害ガスによる健康障害に関する記述として、正しいものはどれか。
- 弗化水素による慢性中毒では、骨の硬化や斑状歯がみられる。
- 塩素は無色無臭のガスであり、中毒に気づくことが難しい。
- 二酸化硫黄による慢性影響として、視神経障害が代表的である。
- アンモニアによる慢性中毒では、造血器障害が特徴的である。
こたえを見る
正解: 1. 弗化水素による慢性中毒では、骨の硬化や斑状歯がみられる。
弗化水素は骨硬化症・斑状歯という骨への影響が固有の特徴。塩素は黄緑色で刺激臭のあるガス(選択肢2は誤り)。二酸化硫黄の慢性影響は慢性気管支炎や歯牙酸蝕症であり、視神経障害はメタノール等による(選択肢3は誤り)。アンモニアは上気道の刺激が主で、造血器障害はベンゼンの特徴(選択肢4は誤り)。