有害ガスによる中毒(2) 二酸化硫黄・塩素・弗化水素・ホスゲンほか

刺激性ガスの共通点である気道刺激を土台に、歯牙酸蝕症・骨硬化症・遅発性の肺水腫といった各ガス固有の症状を拾い上げます。

編集・検証: 衛生管理者スタディ編集部 公式情報: 公益財団法人 安全衛生技術試験協会 制作・検証方針

有害ガスの2回目は、刺激性の強いガスたちです。多くは「気道を刺激する」という共通点をもちますが、それぞれに固有の顔があります。そこを拾えば得点になります。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

先生、刺激性ガスは種類が多くて、どれも『気道の刺激』としか書かれていません。
差がつくポイントはどこでしょうか。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

いい問いね。
共通項は刺激。
だからこそ、各ガス固有の『変わり種の症状』を拾いにいくのが得点戦略よ。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

変わり種…ふしぎな響きです。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

たとえば二酸化硫黄、別名 亜硫酸ガス。
刺激臭があって上気道を刺激するけれど、慢性影響として歯が溶ける歯牙酸蝕症が出るの。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

歯が溶ける!? ちょっと待って、それガスの話だよね!?

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

空気中の酸性のガスが歯を侵すのです。
同様に、二酸化窒素にも歯牙酸蝕症の記載があります。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

次に塩素。
これは黄緑色で刺激臭があるガス。
眼と気道をがっつり刺激して、高濃度では肺水腫を起こすわ。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

色があるガスなんですね…黄緑って、ちょっときれいなのに。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

見た目に騙されないでね。
そして弗化水素。
これは骨に来るの。
慢性中毒で骨硬化症、それに斑状歯。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

骨が硬くなるのって、いいことじゃないの?

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

ジャスミンさん、硬ければ良いというものではありません。
異常に硬化すればもろくなり、変形もします。
骨は『適度』が命です。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

さて、いちばん怖いのがホスゲンよ。
刺激が弱いから、吸っても本人が気づきにくい。
それなのに、あとから肺水腫がやってくるの。

雪村 ましろ(しょんぼり) 雪村 ましろ

…気づかないまま、しずかに進んでいくのが、いちばんこわい気がします。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

ましろさん、本質を突いたわね。
刺激が強いガスは逃げられる。
刺激が弱いガスは逃げ遅れる。
危険度は刺激の強さと比例しないの。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

最後にアンモニア。
強い刺激臭で、上気道の刺激と結膜炎。
これは臭いですぐ分かる部類ですね。

確認クイズ

有害ガスによる健康障害に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 弗化水素による慢性中毒では、骨の硬化や斑状歯がみられる。
  2. 塩素は無色無臭のガスであり、中毒に気づくことが難しい。
  3. 二酸化硫黄による慢性影響として、視神経障害が代表的である。
  4. アンモニアによる慢性中毒では、造血器障害が特徴的である。
こたえを見る

正解: 1. 弗化水素による慢性中毒では、骨の硬化や斑状歯がみられる。

弗化水素は骨硬化症・斑状歯という骨への影響が固有の特徴。塩素は黄緑色で刺激臭のあるガス(選択肢2は誤り)。二酸化硫黄の慢性影響は慢性気管支炎や歯牙酸蝕症であり、視神経障害はメタノール等による(選択肢3は誤り)。アンモニアは上気道の刺激が主で、造血器障害はベンゼンの特徴(選択肢4は誤り)。

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