特殊健康診断の全体像(対象・頻度・記録保存・歯科健診)

原則6か月以内ごとに1回、記録は5年・30年・40年。歯科医師による健診の対象も押さえます。

編集・検証: 衛生管理者スタディ編集部 公式情報: 公益財団法人 安全衛生技術試験協会 制作・検証方針

有害業務に従事する労働者には、通常の健診とは別に特殊健康診断が行われます。実施頻度は原則6か月以内ごとに1回、記録保存は物質によって5年・30年・40年と分かれます。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

有害業務では、一般健康診断のほかに特殊健康診断が義務づけられているわ。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

普通の健康診断とは別に、もう一回受けるってこと?

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

対象となる有害要因ごとに検査項目が違うのが特徴ですね。
有機溶剤なら尿中代謝物、鉛なら血液中鉛、というように。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そう。
実施時期は、雇入れの際、その業務への配置替えの際、そしてその後は原則6か月以内ごとに1回。
ここは多くの特殊健診に共通よ。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

6か月ごと…作業環境測定の6か月と、そろえて覚えていいんですかぁ?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

基本はそれでいいわ。
ただし例外があるの。
四アルキル鉛は3か月以内ごとに1回、じん肺健康診断は管理区分に応じて頻度が変わる。
ここは後の記事で扱うわね。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

記録の保存期間が物質ごとに違う点が、この分野の最大の山場だと思います。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

つむぎさん、そのとおり。
原則は5年。
でも特定化学物質のうち特別管理物質、そして電離放射線は30年。
石綿は40年。
この長期保存の3つが狙われるわ。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

30年、30年、40年…人生かけて保存するレベルじゃん…

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

発がん性物質は、ばく露から発病まで何十年もかかることがあるからよ。
だから長く残すの。
ましろさん、これは意味のある年数だと思わない?

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

…うん。
何十年も経ってから病気になった人を、ちゃんと守るための記録なんですねぇ。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そう。
数字の裏にちゃんと理由があるのよ。
それからもう一つ、歯科医師による健康診断。
塩酸・硝酸・硫酸・亜硫酸・弗化水素・黄りんなど、歯やその支持組織に有害な物のガス・蒸気・粉じんを発散する場所での業務が対象ね。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

歯科医師による健診は、医師の健診とは別枠なのですね。
酸を扱う業務で歯が侵される、いわゆる歯牙酸蝕症への対応と理解しました。

戸倉 ジャスミン(うるうる) 戸倉 ジャスミン

酸っぱいもので歯が溶けるって、想像するとちょっとこわい…

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

だから対象業務では6か月以内ごとに1回、歯科医師の健診を行うの。
それと、特殊健診の結果に異常の所見があるときは、医師の意見を聴取することも忘れずにね。

確認クイズ

特殊健康診断に関する記述として正しいものはどれか。

  1. 特殊健康診断の記録は、すべて5年間保存すれば足りる
  2. 塩酸を用いる業務のように、歯またはその支持組織に有害な物のガス等を発散する場所における業務では、歯科医師による健康診断を行う
  3. 特殊健康診断は、その業務への配置替えの際には行う必要がない
  4. 特殊健康診断の実施頻度は、すべての業務で1年以内ごとに1回である
こたえを見る

正解: 2. 塩酸を用いる業務のように、歯またはその支持組織に有害な物のガス等を発散する場所における業務では、歯科医師による健康診断を行う

酸等による業務では歯科医師による健康診断を行う。記録保存は原則5年だが特別管理物質・電離放射線は30年、石綿は40年。特殊健診は雇入れ時・配置替えの際・その後定期(原則6か月以内ごとに1回)に行う。

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