じん肺は粉じん作業に固有の職業性疾病であり、いったん生じた変化は元に戻りません。「不可逆」であることと「合併症」が出題の中心です。
先生、じん肺って…おなまえのとおり、ほこりの肺、ということですか?
言葉のセンスがいいわね。じん肺は、粉じんを吸い込むことで肺に線維増殖性の変化が起こる病気。
この定義文はそのまま出るから丸ごと覚えて。
線維増殖性変化、というのは肺が硬く線維化してしまうということですね。
そう。
柔らかく膨らむはずの肺が硬くなる。
すると酸素の取り込みがうまくいかず、せき、たん、息切れ、進行すれば呼吸困難になるの。
じゃあ粉じんのない職場に移れば治るの?
ここが一番大事なところ。
治らないのよ。
じん肺は不可逆。
ばく露をやめても、すでに線維化した肺は元に戻らないし、進行することさえあるわ。
うぅ…それ、めちゃくちゃ重い話じゃん。
…だから、そもそも吸わせないことが、いちばん大事なんですね。
そのとおり。
予防がすべての病気なの。
さて、じん肺は原因の粉じんによって呼び名が変わるわ。
遊離けい酸を含む粉じんによるものがけい肺。
石綿によるものが石綿肺。
そして溶接ヒュームによるものが溶接工肺ですね。
けい肺と石綿肺、名前が似ててこんがらがりそう…。
けい肺の原因は『遊離けい酸』、石綿肺の原因は『石綿』。
原因物質を口に出せば取り違えません。
最後にじん肺の合併症。
肺結核をはじめ、続発性気管支炎や続発性気胸などが法令上定められているわ。
とくに肺結核との関係は要注意よ。
肺がよわると、ほかの病気も呼び込んでしまうんですね…。
確認クイズ
じん肺に関する記述として、正しいものはどれか。
- じん肺は、粉じんを吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病である。
- じん肺は、粉じんへのばく露をやめれば速やかに回復する可逆的な疾病である。
- けい肺は、石綿の粉じんを吸入することによって起こるじん肺である。
- じん肺の合併症に、肺結核は含まれない。
こたえを見る
正解: 1. じん肺は、粉じんを吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病である。
じん肺の定義は「粉じんの吸入による肺の線維増殖性変化を主体とする疾病」。じん肺は不可逆で治癒せず、ばく露中止後も進行することがある(選択肢2は誤り)。けい肺の原因は遊離けい酸であり、石綿によるものは石綿肺(選択肢3は誤り)。肺結核はじん肺の代表的な合併症(選択肢4は誤り)。