ここからは作業環境管理の実務に入ります。まずは「測る」こと。A測定とB測定は目的がまったく違うので、そこを取り違えないことが最大の眼目です。
先生、作業環境測定というのは、単に空気を採って分析することを指すのでしょうか。
いいえ、もっと広いのよ。作業環境測定は、デザイン・サンプリング・分析の3つをまとめた言葉なの。
デザイン? 絵でも描くの?
ふふ、そう思うわよね。
ここでのデザインは測定計画の策定のこと。
どこで、いつ、何点測るかを決める設計作業ね。
測る場所を間違えれば、いくら精密に分析しても意味がない。
だからデザインが最も重要だということですね。
その通り。
さて、実際の測定は2種類。
A測定とB測定よ。
ここが本日の山場。
AとB…どうちがうんですかぁ?
A測定は、単位作業場所全体の濃度の『平均的な分布』を知るための測定。
等間隔に測定点を設けて、面として捉えるの。
測定点は5点以上、高さは床上50cm以上150cm以下の範囲に設定します。
呼吸域を意識した高さですね。
一方のB測定は、発生源のすぐそばで作業する場合に、その労働者のばく露が最大になる時間・場所で測るの。
狙うのは最高濃度ね。
ちょっと待って。
A測定だけじゃダメなの? 平均が分かれば十分じゃない?
いい質問。
想像してみて。
ふだんは薄いけれど、袋を開けた瞬間だけドカンと濃くなる作業があったら?
…平均だと、その一瞬が、ならされて消えちゃう…?
そう。
だから発生源に近接した最高濃度を、B測定で別に捕まえるの。
AとBは補い合う関係なのよ。
A=場全体の平均的分布、B=発生源近くの最高濃度。
この一行を暗記すれば、入れ替え問題は全滅させられますね。
確認クイズ
作業環境測定に関する記述として、正しいものはどれか。
- A測定は、有害物質の発生源に最も近接した作業位置における最高濃度を知るために行う。
- B測定は、単位作業場所における有害物質の気中濃度の平均的な分布を知るために行う。
- デザインとは、作業環境測定を行うに当たっての測定計画の策定をいう。
- A測定の測定点は、単位作業場所の中央の1点のみとする。
こたえを見る
正解: 3. デザインとは、作業環境測定を行うに当たっての測定計画の策定をいう。
デザインは測定計画の策定を指す。発生源に近接した最高濃度を知るのはB測定、単位作業場所の平均的な分布を知るのはA測定であり、選択肢1と2は入れ替わっている。A測定の測定点は5点以上必要(選択肢4は誤り)。