人を雇ったら、まず教育。雇入れ時教育と作業内容変更時教育は、業種や雇用形態を問わず必要です。省略できる場合の条件が要注意ポイント。
先生、新しく入った人には、必ず研修をするんですかぁ?
そう。雇入れ時教育ね。
事業者は労働者を雇い入れたとき、その従事する業務に関する安全衛生教育を行わなければならないの。
作業内容変更時教育も同じ扱いでしたね。
配置転換のときですか。
そのとおり。
雇入れ時と作業内容変更時。
この2つはセットで条文に書かれているわ。
アルバイトとか短期の人にもやるの? 1週間だけ来る人とかは?
やるのよ。
期間の定めの有無を問わず、パートでもアルバイトでも臨時雇いでも必要。
ここは頻出ね。
えーっ! 短くても手を抜けないんだ…。
まあ、危ないことに期間は関係ないもんね。
先生、教育項目を省略できる場合はありますか。
以前は業種によって一部省略できたと聞きましたが。
よく調べたわね、つむぎさん。
かつては一定の業種で機械や原材料等の危険性に関する項目を省略できたけれど、その規定は廃止されて、今は業種による省略はできないわ。
じゃあ、どんな場合でも全部やるんですかぁ?
一つだけ例外があるの。
当該事項について十分な知識および技能を有していると認められる労働者については、その事項の教育を省略することができる。
あくまで『その事項について』よ。
省略の根拠は業種ではなく、その労働者個人の知識・技能である、という理解で合っていますか。
完璧よ。
判断の軸が『業種』から『人』に変わった、と押さえて。
教育の時間って、給料出るの? 業務時間外にタダ働きだったらイヤなんだけど。
ジャスミンさん、大事なところ。
安全衛生教育は事業者の責任で行うものだから、所定労働時間内に行うのが原則。
時間外に行えば割増賃金の対象になるわ。
費用ももちろん事業者負担ね。
あ、それと…職長等の教育っていうのも聞いたことがあります。
現場で部下を直接指導・監督する立場になった人への教育ね。
建設業、製造業、電気業、ガス業、自動車整備業、機械修理業など政令で定める業種で必要。
全業種ではない点が雇入れ時教育との違いよ。
雇入れ時教育は全業種、職長教育は特定業種。
対比で覚えられます。
確認クイズ
雇入れ時の安全衛生教育に関する記述として正しいものはどれか。
- 1か月以内の期間を定めて雇用する労働者については、雇入れ時教育を省略できる
- 教育事項の全部または一部について十分な知識および技能を有していると認められる労働者については、当該事項の教育を省略できる
- 金融業や小売業などの事業場では、雇入れ時教育を行う必要がない
- 雇入れ時教育は、労働者の自己負担により所定労働時間外に行うことが原則である
こたえを見る
正解: 2. 教育事項の全部または一部について十分な知識および技能を有していると認められる労働者については、当該事項の教育を省略できる
十分な知識・技能を有する労働者は、当該事項の教育を省略できるのが正しい。選択肢1は誤りで、期間の定めの有無にかかわらず教育が必要。選択肢3も誤りで、雇入れ時教育は業種を問わず必要。選択肢4も誤りで、費用は事業者負担、所定労働時間内に行うのが原則。