健康診断は関係法令の最重要テーマのひとつ。まずは雇入時の健康診断と定期健康診断。「省略できる/できない」の線引きが勝負どころです。
雇入時の健康診断から。
常時使用する労働者を雇い入れるときに、医師による健康診断を行わなければならないわ。
先生、質問があります。
項目を省略することはできますか。
つむぎさん、そこが最大の急所。
雇入時健診では、医師の判断による項目の省略は認められないの。
原則、全項目実施よ。
ちょっと待って、じゃあ入社直前に人間ドック行ってた人も、また全部やるの? 二度手間じゃん?
いい突っ込みね。
例外が一つだけあるわ。
医師による健康診断を受けた後3か月を経過しない者が、その結果を証明する書面を提出したときは、その項目については省略できるの。
3か月以内で、書面を出せば、その分だけ省ける…条件が2つあるんですねぇ。
『医師の判断による省略はできない』が原則で、『3か月以内の受診結果の書面提出』が唯一の例外。
この対比が問われそうです。
そのとおり。
次に定期健康診断。
1年以内ごとに1回、定期に実施ね。
こっちは省略できるの?
できるものがあるわ。
医師が必要でないと認めるときに省略できる項目として、身長、腹囲、胸部エックス線検査、喀痰検査、貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査、心電図検査などがあるの。
逆に、絶対に省略できない項目を押さえたほうが速いですね。
さすが。
既往歴および業務歴の調査、自覚症状および他覚症状の有無の検査、体重、視力、聴力、血圧の測定、尿検査。
この7つは省略不可よ。
身長は省略できるのに、体重はダメなんですかぁ? …あ、体重は変わるからでしょうか。
ましろさん、それが答えよ。
大人になれば身長はほぼ変わらないけれど、体重は健康状態を反映して動く。
だから毎年測る意味があるの。
おお〜! 理屈が分かると急に覚えやすくなるね。
身長・腹囲は省ける、体重は省けない!
喀痰検査も要注意です。
定期健診の項目にはありますが、雇入時健診の項目にはありません。
つむぎさん、それは実によく問われるポイント。
よく気づいたわね。
確認クイズ
一般健康診断に関する記述として正しいものはどれか。
- 雇入時の健康診断では、医師が必要でないと認める項目を省略することができる
- 定期健康診断では、医師が必要でないと認めるときであっても、尿検査を省略することはできない
- 定期健康診断は、2年以内ごとに1回行えばよい
- 喀痰検査は、雇入時の健康診断の項目に含まれている
こたえを見る
正解: 2. 定期健康診断では、医師が必要でないと認めるときであっても、尿検査を省略することはできない
尿検査は定期健診で省略できない項目。省略不可は既往歴・業務歴、自覚/他覚症状、体重、視力、聴力、血圧、尿検査。選択肢1は誤りで、雇入時健診に医師の判断による省略は認められない。選択肢3も誤りで1年以内ごとに1回。選択肢4も誤りで、喀痰検査は定期健診の項目であり雇入時健診にはない。