働きすぎと心の不調。この2つの入口から医師の面接指導につながります。「月80時間超」「申出」というキーワードを軸に整理しましょう。
先生、残業がすごく多い人って、法律で守られたりしないの?
守られるわ。長時間労働者への面接指導という制度よ。
要件は3つ、順に見ていきましょう。
1つ目が労働時間ですね。
基準はどのくらいですか。
休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合の、その超えた時間。
つまり時間外・休日労働が1か月当たり80時間を超えたとき。
80時間…1か月で80時間って、1日あたりだと4時間くらいですかぁ?
20日勤務なら毎日4時間残業ね。
相当な負荷よ。
2つ目の要件が、疲労の蓄積が認められること。
そして3つ目が労働者本人の申出、ですね。
ここは義務ではなく申出が起点、と。
つむぎさん、正確。
申出があったときに、事業者は遅滞なく医師による面接指導を行わなければならない。
申出がなければ実施義務は生じないの。
でもさ、自分が何時間残業したか分からなかったら、申出しようがなくない?
ジャスミンさん、その通り。
だから事業者には情報の通知義務があるの。
時間外・休日労働が1か月80時間を超えた労働者に対し、速やかに、その超えた時間に関する情報を通知しなければならないわ。
『あなたは今月90時間でしたよ』って教えてもらえるんですねぇ。
それなら申出できます。
労働時間の把握そのものも義務ですよね。
自己申告任せではなく。
そう。
タイムカードやパソコンの使用時間の記録など、客観的な方法で労働時間の状況を把握し、その記録を3年間保存しなければならないの。
3年! …あ、また新しい数字が出てきた。
うぅ、こんがらがってきた。
焦らなくていいわ。
面接指導の結果の記録は5年間保存。
労働時間の状況の記録は3年間保存。
並べて覚えましょう。
面接指導のあとの流れは、健康診断と似ていますか。
似ているわ。
面接指導が行われた後、遅滞なく医師の意見を聴き、必要があれば就業場所の変更や労働時間の短縮などの措置を講じる。
ストレスチェックの高ストレス者の面接指導も、同じ流れよ。
入口は『長時間労働』と『高ストレス』の2つ、出口は共通、という構造ですね。
確認クイズ
長時間労働者に対する医師による面接指導に関する記述として正しいものはどれか。
- 面接指導の対象は、時間外・休日労働が1か月当たり45時間を超えた労働者である
- 面接指導は、労働者の申出の有無にかかわらずすべての対象労働者に実施しなければならない
- 面接指導の結果の記録は、5年間保存しなければならない
- 事業者は、労働時間の状況を把握する必要はなく、労働者の自己申告のみによればよい
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正解: 3. 面接指導の結果の記録は、5年間保存しなければならない
面接指導の結果の記録は5年間保存が正しい。選択肢1は誤りで、対象は時間外・休日労働が月80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる労働者(45時間は36協定の限度時間)。選択肢2も誤りで、原則として労働者の申出が起点。選択肢4も誤りで、タイムカード等の客観的方法により労働時間の状況を把握し3年間保存する義務がある。