有害物の中には、そもそも作ることすら許されないものと、国の許可を得れば作れるものがあります。禁止と許可、そして「誰の許可か」を正確に区別しましょう。
先生、世の中には作っちゃいけない物質があるって本当ですかぁ?
本当よ。製造等禁止物質といって、製造・輸入・譲渡・提供・使用のすべてが禁止されているの。
代表例は、黄りんマッチ、ベンジジンおよびその塩、ベータ-ナフチルアミンおよびその塩、4-アミノジフェニル、4-ニトロジフェニル、ビス(クロロメチル)エーテル、石綿。
ほとんどが強い発がん性を持つ物質ですね。
石綿ってアスベストのこと?
あれもう作っちゃダメなんだ…
そう。
だから石綿則の規制は、新たに使う場面ではなく、昔の建物を解体するときの話が中心になるのよ。
でも…研究のために少しだけ作りたい、って場合はどうするのぉ?
ましろさん、そこを聞いてくれて嬉しいわ。
試験研究のため製造・輸入・使用する場合は、あらかじめ都道府県労働局長の許可を受ければ可能なの。
一方、製造許可物質は、はじめから許可があれば製造できる物質群ですね。
特化則でいう第1類物質です。
ちょっと待って。
禁止のほうが都道府県労働局長で、許可のほうが厚生労働大臣?
逆じゃないの?
ジャスミンさん、その違和感は正しい。
でも法令はそうなっているの。
製造の許可は厚生労働大臣。
試験研究のための例外許可は都道府県労働局長。
ここは毎年のように狙われるわ。
禁止物質を研究のために扱うのは局長、そもそも作ってよい物質を工場で作るのは大臣。
逆に覚えないよう注意ですね。
むむむ…大臣のほうが偉いのに、禁止じゃなくて許可のほうを見てるんですねぇ。
第1類物質は7種類。
ジクロルベンジジン、アルファ-ナフチルアミン、塩素化ビフェニル、オルト-トリジン、ジアニシジン、ベリリウム、ベンゾトリクロリド。
それぞれの塩や製剤も含むわ。
ベータ-ナフチルアミンが禁止で、アルファ-ナフチルアミンが許可…名前が似すぎ!
だからこそ狙われるのよ。
ベータは禁止、アルファは許可。
ここだけは口に出して覚えてしまいなさい。
確認クイズ
製造等が禁止される有害物および製造の許可を要する有害物に関する記述として正しいものはどれか。
- 第1類物質を製造しようとする者は、あらかじめ都道府県労働局長の許可を受けなければならない
- ベンゾトリクロリドは製造等が禁止されている物質である
- 第1類物質を製造しようとする者は、あらかじめ厚生労働大臣の許可を受けなければならない
- 石綿は、あらかじめ厚生労働大臣の許可を受ければ製造することができる
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正解: 3. 第1類物質を製造しようとする者は、あらかじめ厚生労働大臣の許可を受けなければならない
第1類物質の製造は厚生労働大臣の許可が必要。ベンゾトリクロリドは第1類物質(製造許可物質)であって禁止物質ではない。石綿は製造等禁止物質で、試験研究の場合に限り都道府県労働局長の許可で足りる。