耳は「聞く」だけの器官ではありません。内耳には、体の傾きと回転を感じ取るセンサーも同居しています。
耳は外耳・中耳・内耳の3つに分けられるの。
音は外耳から入り、鼓膜を震わせ、中耳を通って内耳へ伝わるわ。
中耳の空間が鼓室ですね。
ここに耳小骨があり、振動を増幅して内耳に伝えます。
そう。
そして内耳。
ここに蝸牛——かたつむりの殻のような形をした器官があるの。
担当は聴覚よ。
かたつむり…ぽわわ〜、耳の中にかたつむりさんがいるなんて、ふしぎです。
ふふ、かわいい言い方ね。
でも内耳にはもうひとつ仕事があるの。前庭と半規管——こちらは平衡感覚を担当するわ。
えーっ! 耳がバランス取ってるの!? 足とか目じゃなくて!?
そうです。
前庭が身体の傾き、半規管が身体の回転を感じ取ります。
ちょっと待って。
あたし、ぐるぐる回ると目が回るじゃん? あれって半規管が混乱してるってこと?
その通りよ。
半規管の中の液体が回り続けているのに、身体は止まっている。
だから脳が混乱して、めまいが起こるの。
マジで!? じゃあ耳がバグってるだけなんだ…目のせいだと思ってた。
…先生、飛行機で耳がツーンとするのも、耳のお話ですかぁ?
よく持ってきたわね、ましろさん。耳管——エウスタキオ管ともいうわ。
これは中耳、つまり鼓室の内圧を、外の気圧と等しく保つ働きをしているの。
急な気圧の変化で内外の圧力に差ができると、鼓膜が引っ張られて違和感が生じます。
つばを飲み込むと耳管が開いて圧力差が解消される、というわけですね。
ふぇぇ〜、いつもやってたことに、ちゃんと理由があったんですね!
整理しましょう。蝸牛=聴覚、前庭と半規管=平衡感覚、耳管=鼓室の内圧調整。
この3つの対応が出題の中心よ。
確認クイズ
聴覚及び平衡感覚に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 内耳の蝸牛は平衡感覚を、前庭及び半規管は聴覚をそれぞれ担当する
- 内耳の蝸牛は聴覚を、前庭及び半規管は平衡感覚をそれぞれ担当する
- 耳管は、内耳の内圧を外気圧より高く保つ働きをしている
- 半規管は身体の傾きを、前庭は身体の回転を感じ取る
こたえを見る
正解: 2. 内耳の蝸牛は聴覚を、前庭及び半規管は平衡感覚をそれぞれ担当する
蝸牛=聴覚、前庭及び半規管=平衡感覚。選択肢1は逆で、これが定番の誤り。選択肢3も誤りで、耳管は中耳(鼓室)の内圧を外気圧と等しく保つ。選択肢4も逆で、前庭が傾き、半規管が回転を感じ取る。