肝臓は体内最大の化学工場です。合成・貯蔵・解毒・胆汁——仕事が多いぶん、出題も多い臓器です。
先生、肝臓って『お酒を分解するところ』ってイメージしかないんだけど、他に何してるの?
あらあら、それはほんの一部よ。
肝臓は体の中で最大の化学工場。
仕事は大きく4つ——合成、貯蔵、解毒、胆汁づくり。
合成では、血漿たんぱく質のアルブミンや、血液凝固因子であるフィブリノーゲンを作っています。
そう。
血が固まるのに必要なフィブリノーゲンも、実は肝臓製なの。
だから肝臓を悪くすると血が止まりにくくなるのよ。
ふぇぇ〜、血の話と肝臓の話がつながりました…!
貯蔵はどうかしら。
食事で吸収したブドウ糖が余ったら、肝臓はグリコーゲンという形に変えて蓄えるの。
必要なときにまたブドウ糖に戻して血液に送り出すわ。
え、それって…体の中の貯金箱じゃん? 試合前にご飯食べとくと後半バテにくいの、これのおかげ?
いいたとえね。
まさにエネルギーの貯金よ。
解毒も重要です。
アルコールや薬物などの有害物質を分解して無害化します。
また、たんぱく質が分解されて生じるアンモニアを、毒性の低い尿素に変えるのも肝臓の仕事ですね。
そして体に必要なコレステロールの合成も肝臓が担当。
ここまでで4つのうち3つね。
あとひとつ…胆汁、ですかぁ?
そう、胆汁。
ここでひとつ、絶対に落としてはいけない事実があるの。
胆汁は消化液だけれど、消化酵素を含んでいないのよ。
ちょっと待って。
消化液なのに消化する酵素が入ってないって、どういうこと? 意味なくない?
意味はあります。
胆汁は脂肪を乳化する——細かい粒に分散させるのです。
そうすることでリパーゼが働きやすくなり、脂肪の分解を助けます。
自分では切らないが、切りやすくする役、ですね。
えへへ、洗剤が油をぱーっと散らすのと似てます。
その通りよ、ましろさん。
『胆汁は消化酵素を含まないが、脂肪を乳化して脂肪分解の働きを助ける』——この一文を丸ごと覚えてしまいなさい。
確認クイズ
肝臓の働きに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 肝臓は胆汁を生成するが、胆汁は消化酵素を含まず、脂肪を乳化して分解を助ける
- 肝臓が生成する胆汁には、脂肪を分解する消化酵素が多量に含まれている
- 肝臓はブドウ糖をアミノ酸に変えて貯蔵する
- 血液凝固因子であるフィブリノーゲンは、腎臓で合成される
こたえを見る
正解: 1. 肝臓は胆汁を生成するが、胆汁は消化酵素を含まず、脂肪を乳化して分解を助ける
胆汁は消化酵素を含まないが、脂肪を乳化して分解を助けるのが正しい。選択肢2は誤り。選択肢3も誤りで、肝臓は余分なブドウ糖をグリコーゲンとして貯蔵する。選択肢4も誤りで、フィブリノーゲンやアルブミンは肝臓で合成される。